秋の食材なぞなぞ エリンギ

🍙いきなりですが、食育やイベントのつかみにぴったりのなぞなぞのご紹介からはじめます🍙

【クイズ】

縦に切ると松茸風、横に切るとホタテ風になるきのこって、なぁ~んだ?

【答え】

切り方で食感が変わる楽しいきのこ、エリンギです!


英名:King oyster mushroom 

和名・別名:エリンギ

涼しくなってくると、無性にきのこ料理が恋しくなりますよね。

コリコリとした歯ごたえから「まるでアワビやホタテみたい!」と称される、食感の王様「エリンギ」。

秋の食卓の定番ですが、実はスーパーに並ぶエリンギには「旬」がないってご存知でしたか? 

一年中価格が安定していて、いつでも手軽に秋の気分を味わえる家計の強い味方なのです。

クセのない味わいでどんなジャンルの料理にも馴染む万能キノコですが、切り方ひとつで全く違う表情を見せてくれる、お料理の楽しさが詰まった食材でもあります。

ただ適当に切って使うのは、本当にもったいないですよ!

エリンギ可食部100g当たりの食品成分表

きのこ類/エリンギ/生
エネルギー
kcal
水分
g
たんぱく質
g
脂質
g
炭水化物
g
食物繊維
g
食塩相当量
g
2490.0 2.4 0.25.64.30

日本食品標準成分表2020(八訂)増補2023年

エリンギの栄養成分について

低カロリーでありながら、お腹の調子を整える「不溶性食物繊維」がキノコ類の中でもトップクラス。便通を促し、腸内環境をスッキリ整えてくれます。

また、体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出してむくみを予防する「カリウム」も豊富に含まれています。

エリンギの選び方について

  • カサが開きすぎておらず、フチが内側に少し巻き込んでいるもの。

  • 軸が太くて白く、触ったときに固くて弾力(ハリ)があるもの。

  • 鮮度が落ちると全体が黄色っぽくなったり、水分が浮いてきたりするので避ける。

エリンギの保存方法について

  • 冷蔵の場合:パックから取り出し、水気がつかないようにキッチンペーペーで包んでから、ポリ袋に入れ、野菜室へ。(約1週間保存可能)

  • 冷凍の場合:使いやすい大きさにカットし、そのままジーパー付の保存袋に入れて冷凍室へ。(約1ヶ月保存)※しめじと同様、冷凍すると細胞壁が壊れ、加熱調理した際にうまみ成分がアップします!

エリンギの調理のポイント

洗わない&凍ったまま使うのが鉄則!

きのこ類は水で洗うと風味や栄養が水に溶け出し、食感も悪くなってしまいます。

汚れが気になる時は濡らしたペーパーで優しく拭き取る程度でOK。

冷凍保存したエリンギは、解凍せずに「凍ったまま」フライパンや鍋に投入してください。

「切り方」で食感が激変するマジック!

■縦に手で割く・縦切り

 繊維に沿うため、「コリコリ・シャキシャキ」とした松茸のような強い歯ごたえに。

(炒め物やスープに)

■横に輪切り

 繊維を断ち切るため、「やわらかくジューシー」なホタテやアワビのような食感に。

(バター醤油ステーキなどに)

実は「日本に野生のエリンギは存在しない」!?

スーパーで一年中安価に手に入るエリンギですが、実は原産はヨーロッパ南部や中央アジア。

日本には1990年代に初めて人工栽培の技術が持ち込まれました。

「南国のバナナやパイナップルだって日本で作れるのに、どうしてエリンギは日本の山で育てられないの?」と不思議に思うかもしれません。

実は、植物とキノコ(菌類)では育つための条件が大きく異なります。バナナなどの植物は、温室などで「暖かい気温」さえ再現できれば日本でも育ちます。

しかしキノコはとてもデリケートで、「気温」だけでなく「特定のエサ」がないと生きていけません。シイタケやナメコは、日本の山に生えているクヌギなどの「木」をエサにして育ちます。

一方、エリンギの本来のエサは、地中海などの乾燥した地域に生える「エリンジウム」というセリ科の植物の枯れた根っこです。つまり、高温多湿で「エリンジウム」が生えていない日本の山にエリンギの菌を植えても、エサも環境も合わずに全く育たないのです。

そのため、日本の山を探しても「野生のエリンギ」は絶対に生えていません。

現在私たちが食べているエリンギはすべて、おがくずや米ぬかなどの栄養分を混ぜた特製のベッド(培地)を使い、温度や湿度が徹底管理された涼しいクリーンルームで大切に育てられています。日本の山にはない環境を人工的に完全再現しているからこそ、一年中いつでも美味しく食べられるのですね。

スーパーに並ぶエリンギが、土汚れ一つなくいつも真っ白で綺麗なのは、室内で大切に守られて育った「箱入り娘」だからなのです。

おすすめレシピ

①エリンギのホタテ風バター醤油ステーキ(軸部分使用) 

②エリンギとワカメの無限ナムル(傘部分使用)

【レシピ】→ [秋のレシピ きのこ]をご覧ください。

参考資料

『キノコ類の冷凍処理における呈味成分の変化』日本調理科学会誌, 29巻3号, pp.201-208 (1996) 春日 敦子

 『きのこらぼ』きのこ図鑑・菌活事典(エリンギ) / ホクト株式会社 

広報誌『aff(あふ)』特集「知れば知るほどおいしい!きのこの世界」 / 農林水産省 

特用林産物情報「主要なきのこ類の特性と生産動向(エリンギ)」 / 林野庁


コラム作成:瀧

レシピ①~②作成:瀧